| ■声でわかる病気■ |
| 声に変化を起こす病気 私たち耳鼻科医は、患者さんを前にして声を聞くと、 ある程度声帯の状態を、推測することができます。 たとえば声に変化を起こす病気としては、声帯の炎症、声の使いすぎによる声帯結節、 声帯ポリープ、声帯にできる腫瘍、声帯の麻痺、声帯がやせてしまうような状態、 ホルモンの変化による声の、異常などがあります。 もちろん声を聞いただけで、ズバリと診断できるわけではないのですが、 ある程度推測が、つくということです。 そのあとで、反射鏡や、内視鏡を使って、実際に声帯の状態をみることができます。 最近ではこれをテレビに映したり、写真にとって患者さんと一緒に、 観察しながら説明ができるようになってきました。 声帯結節 昔から知られている声帯の、病気で代表的なものは、声帯結節です。 よく、声帯にできるタコとも、表現されています。 その名前も時代の流れを反映して、以前は能狂言の謡曲を、 やっている人に多く見られたことから、謡人結節といわれていました。 最近ではカラオケポリープと、いわれることもあります。 この病気は声をよく使う教師、保母、営業職のひとなどによく見られます。 声を使いすぎた状態が続くと、声帯に負担がかかって、 のどが重くなるとか急に声が裏返るなどの、症状がでてきます。 そうなると声が出にくいため、よけいに声帯を、強く緊張させるので、 さらに声帯に、負担が、かかるという悪循環になってしまいます。 しばらく声を休ませると、ある程度回復するのですが、 また声を使うと、繰り返して声がかれてきてしまいます。 治療としては、のどの吸入や、消炎剤を使うのですが、基本的には、声を出さないことが重要です。 実際には、なかなかそうはいかないため、のどに負担が、かかってきたら休ませることや、 腹式呼吸を、おこなってできるだけ、のどにかかる負担を軽くするように指導しています。 どうしても日常生活に支障が及ぶ場合は、手術が必要になることもあります。 喉頭癌 悪性腫瘍も時として、声の変化でわかることがあります。 おそらく名前は聞いたことがあるかと思いますが、喉頭癌がその代表的なものです。 ほんの数ミリの大きさでも声がかれるため、比較的早期に見つかりやすい、 腫瘍なのですけれども、残念ながら大阪や東京近郊のような都市部に比べると、 この十勝では進行した状態で見つかる傾向があります。 喉頭癌は、喫煙の影響が強いため現在のところ90%は男性です。 しかし、最近は女性の、喫煙率が高くなっているので、 今後は女性の割合が、高くなるのではないかといわれています。 早期のうちであれば、ほとんどが放射線治療で直るのですが、 進行してしまった場合は手術によって、声を失わなくてはならない場合もあります。 その他の病気 そのほかには、肺の腫瘍や、甲状腺の腫瘍の、ために、 声帯を動かす神経が麻痺してしまうことがあります。 声がれで耳鼻科を、受診してきて声帯が、麻痺していたため、 詳しく調べてみたところ、初めてその存在がわかる場合もあるのです。 もちろん一番多いのは、風邪の炎症が声帯におよんで、 声がかれてしまうことですが、ヘビースモーカーの方、声を多く使う方など、 声がれが一〜二週間たってもよくならない場合は、一度みてもらうことをおすすめします。 |