昨年末から新型コロナウイルス感染症が世界に広がりつつあります。本来はコロナウイルスは風邪の原因になるウイルスだったのですが、新種の、人類が抗体を持っていないコロナウイルスが出現して流行してきているということです。
現在、ここ十勝でも発症者が出ています。感染力はインフルエンザと同等かそれよりも強いぐらいで抵抗力の弱い高齢者、糖尿病、高血圧その他の合併症を有している方が発症して重症化しやすいようです。致死率もインフルエンザと同等かそれよりも少し多いようです。
予防の基本は濃厚接触をしないこと、手洗い、顔や目を触らない、節制をして抵抗力をつける。鼻呼吸をするに尽きると思います。マスクをしていても飛沫を多少予防できますが鼻を出していたり、隙間があったり、ドアノブを触ってその手で目を触ったり、口呼吸をしては意味がありません。その点にお気を付けください。人込みでなければ普通に外を歩く限りは感染しませんので過敏になる必要はありません。
当院では濃厚接触を避けるため、待合室が込み合わないように熱、咳のある患者さんは受付後、順番が来るまで車で待っていただき電話で連絡をするようにしています。診察までは別室でお待ちいただいて直接診察室にお入りいただいています。そうすることによって待合室で待っている患者さんの接触する人数と時間を減らすようにしています。合併症が心配な方は同様に車で診察をお待ちいただくことも可能ですので受付で申し出て下さい。
お願いとしてはできるだけ感染機会を減らすため診察時間を必要最低限にしたいと考えています。症状などはあらかじめメモをするなどして要領よくお話しください。
現実には、ワクチンも治療薬も検査方法もあるインフルエンザを制御することもできないことから、新型コロナウイルス感染症を抑え込むことは困難だと考えられます。しかしながら重症化した人の治療を行う指定病院のキャパシティーには限界がありますので、それを超えないように発症ピークを抑えることが必要です。
アメリカでは現在インフルエンザが流行しており、その重症化率は日本よりも高いようです。健康保険制度が日本ほど整備されていないため、インフルエンザ検査を受けるだけで10万円以上かかってしまうのも影響しているようです。感染ルート不明の発症例が出現しましたので蔓延化していくのも時間の問題と考えられます。
とにかく冷静に、デマに惑わされず、体調管理、血糖コントロール、血圧コントロールに気を付けてこの難関に対処しましょう。