9月に入りめっきり冷え込んできました。昨年の今頃は台風の被害でこの十勝は陸の孤島になっていました。すでに1年たちましたが、いまだ復旧は半ばです。さらに先日はJアラートでびっくり目が覚めましましたが、ミサイルが襟裳岬を横切って道東お気に落ちるとは・・・。考えても見ませんでした。
しかし、避難するといっても家に地下室でもない限りどうしていいかわからないのが現実です。シェルターが必要といってもすぐにはどうすることもできませんよね。
話は変わりますが、最近、見えていて見ていないということを考えています。この仕事を初めてかなりの年数になります。カルテには毎日耳鼻咽喉の絵をかいて病変などを記載しますが、長いこと耳を見てはいても、例えば耳介を写実的に描こうと思っても書くことができず、模式化された絵しか書くことができないことに今更ながら気が付きました。
見たものをそのまま書くことができるのは一つの才能で、実際にはなかなかできるものではありません。そんなことができれば、昔、美術で5を取ることができたでしょう。ただ、これからもう少し注意深くものを見る努力はしていこうと考えています。
先日、読んだ福岡真一氏の著作、新版―動的平衡のなかで「私たちが今、この目で見ている世界はありのままの自然ではなく、加工され、デフォルメされているものなのだ。デフォルメしているのは脳の特殊な操作である。」という記述がありました。
また、行動経済学の入門書を読んでいると、人間は直感的で、思い込みなどで合理的ではない選択をする傾向があるそうです。
所見の記載がデフォルメされたものではあってもほかの耳鼻科医がみても、おおよそその病変がわかるのは脳の構造による影響があるということなのですね。だからこそ物事を合理的に考え、あるがままに見る訓練をすることは、すなわち勉強であり脳の柔らかい子供の時にしている学校の勉強が大切であるゆえんでもあると思いました。学生の皆さん頑張ってくださいね。
さて、スタッフの作によるキッズコーナーの飾りつけがリニューアルされています。是非ご覧になってください。