<2025年4月1日での進捗状況>
2024年より帯広耳鼻科医会で進めている「十勝市町村での補聴器助成事業」ですが、2025年4月より、新たに「幕別町」「士幌町」が高齢者補聴器助成事業を開始されました。
現在のところ、十勝での高齢者補聴器助成事業実施状況は以下のようになっております。
実施:「池田町」「新得町」「上士幌町」「豊頃町」「浦幌町」「鹿追町」「広尾町」「清水町」「幕別町」「士幌町」
→ 補聴器購入の際は、担当の部署にご相談ください。
未実施:「帯広市」、「音更町」、「芽室町」、「本別町」、「足寄町」、「陸別町」、「中札内村」、「更別村」および「大樹町」についてはまだ、補聴器助成事業は実現しておりませんので、ご注意ください。
6月、新緑のころになってきました。コロナが5類になり、北海道のシラカバ花粉症もようやく落ち着いてきました。
とはいえ、まだ新型コロナウイルスに感染している方は5月を過ぎてから増加傾向にありました。オミクロン株になってから重症化率死亡率ともにインフルエンザ並みになっていますが、コロナの薬が高額なため、インフルエンザのようにはなかなか処方できません。新型コロナウイルスには罹患後症状(後遺症)の割合がインフルエンザよりも高く、一定割合で引き続く倦怠感などから数年にわたって働くことができないような患者さんもいるので油断はできません。
罹患後症状(後遺症)を防ぐためには感染後治っても倦怠感が続く場合十分に休養を取ること、感染時にコロナの薬を内服することだと考えています。
罹患後症状の患者さんの治療も行っていますが、長引いている方の多くは体のだるさがあるにもかかわらず無理をしてクラッシュという状態を引き起こし、悪化しているという特徴があるように思われます。
当院では、上咽頭擦過療法と漢方薬、症状に応じた治療を行っています。今月代診の先生をお願いして学会で当院の治療成績を発表してくる予定です。
また、近年難聴と認知症の悪化の関係が高血圧と同等のリスクになることがわかってきました。補聴器の早期装用が有効であることもわかってきました。これは中等度難聴であっても1m離れた距離で普通の声での会話に支障が出ることから、人と会話をすることが減ってしまい、孤立化してしまうことが原因とされています。ですから、手話などでコミュニケーションをとって、人とのかかわりがあるような場合には心配することはありません。
とはいえ、補聴器は高額でもあり、また、難聴が進行してしまうと慣れるのに時間と努力が必要になることから、早く装用すればいいのはわかっているのですが、高額のゆえに購入に躊躇する方が多くいらっしゃいます。身体障碍まで進行してしまうと、助成はあるものの補聴器を使いこなせない場合がおおく見られますし、またその状態になるまで困っていなかったとすれば人との会話がすでに少なくなっていたと考えられます。そのような状態が長く続くと脳に音が入らない状態が続いているため、補聴器を使って脳に音が入るとかえってうるさく感じてしまうのです。
課税所得のある方は、補聴器は医療費控除の対象になりますので、残念ながら補聴器を必要としながら経済的な理由で購入できない方が多くいらっしゃいます。
ちなみに高齢者の中等度難聴の方に補聴器購入の助成している町村が現在十勝管内に6町村あります。
上士幌町、池田町、新得町、本別町、鹿追町、浦幌町、です。
→ 補聴器購入助成制度 市町村別(PDFファイル:約49KB)
コロナ後遺症の治療を始めています。上咽頭擦過療法(EAT)と漢方薬を用いた治療です。
内科の検査では異常がないが、頭痛が続く、頭がスッキリしない、倦怠感が続く、匂い味覚が戻らないなどといった患者さんが対象です。
コロナは治ったけれども不調が続く方は受診してご相談ください。
発熱等の患者様へのお願い
昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大および今後のインフルエンザ感染症流行を受けて、今後、発熱、咳、倦怠感、急に発症した嗅覚及び味覚障害の患者様につきましては、他の患者様との接触をできるだけ避けるため、あらかじめ電話による連絡をお願いいたします。
電話による簡単な問診で、必要と考えられる患者様には車内でお待ちいただきます。診察の順番になりましたら連絡をいたしますので、職員玄関からご案内するか検査が必要な場合にはこちらからお車まで検査に伺うこともあります。
お車でいらしてない方は待合室とは別の部屋でお待ちいただき、そこで診察と検査を行い、その場で会計をいたします。会計が終わりましたら結果にもよりますが職員玄関から出ていただくことも考えられます。
一般の患者様には現在も待ち時間でご不便をおかけすることがありますが、以上のような理由で順番が前後する可能性があることをご承知おきください。
当院は感染予防のためのガイドラインにのっとり、皆様にご心配をかけない診療を今後も務めていきます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルスの抗体検査を行っています。
咳や熱が続いているけれどもPCR検査の適応はなく、しかし新型コロナにかかったのではないかと心配な方に役立ちます。
新型コロナウイルスの検査には現在行われているPCR検査、抗原検査があります。これらは鼻やのどに現在ウイルスが存在しているかどうかを見るための検査です。
一方抗体検査のほうは、体に細菌やウイルスが入ったときに侵入した微生物を攻撃する抗体ができます。この抗体があると、そのウイルスが再び体に入ったときに再度発症するのを抑えます。
例えば風疹抗体検査では抗体の存在があればもう罹患の心配がないのでワクチン接種をする必要はありませんが、抗体ができていない場合は感染する可能性があるのでワクチンを接種するといった具合です。
新型コロナウイルスでは、感染しても軽い症状で収まる方や、症状が出ない例も多いとされています。マドンナが、抗体検査で抗体が検出されたのでもう大丈夫と発言しているのを知っている方も多いですね。
新型コロナウイルスの場合は一度PCR検査で陰性になっても再度陽性になる場合もありますし、長期間ウイルスを排出する場合もあるようなので、麻疹や風疹と同じように考えるわけにはいきませんが、少なくともIgA抗体があれば最近感染していることが、IgG抗体があれば過去に感染したけれども、もう治っていることがわかります。
現在の新型コロナウイルス流行に対する戦略としてはワクチンができるまで、治療可能な範囲内の人数に発症者を抑えるというものです。集団の6割以上の人が抗体を持てば流行は抑えられると考えられています。
現在、国は献血の血液を用いて抗体検査を行っていますが、結果については教えてもらえません。当院ではアメリカのALFA SCIENTIFIC DESIGNS社製のキットを用いて抗体検査を行うことにしました。職員の検査のためにキットを購入しましたので、検査をできる人数には限りがあります。 もし興味がありましたら職員にお尋ねください。
新型コロナウイルスの抗体検査を行っています。
咳や熱が続いているけれどもPCR検査の適応はなく、しかし新型コロナにかかったのではないかと心配な方に役立ちます。
新型コロナウイルスの検査には現在行われているPCR検査、抗原検査があります。これらは鼻やのどに現在ウイルスが存在しているかどうかを見るための検査です。
一方抗体検査のほうは、体に細菌やウイルスが入ったときに侵入した微生物を攻撃する抗体ができます。この抗体があると、そのウイルスが再び体に入ったときに再度発症するのを抑えます。
例えば風疹抗体検査では抗体の存在があればもう罹患の心配がないのでワクチン接種をする必要はありませんが、抗体ができていない場合は感染する可能性があるのでワクチンを接種するといった具合です。
新型コロナウイルスでは、感染しても軽い症状で収まる方や、症状が出ない例も多いとされています。マドンナが、抗体検査で抗体が検出されたのでもう大丈夫と発言しているのを知っている方も多いですね。
新型コロナウイルスの場合は一度PCR検査で陰性になっても再度陽性になる場合もありますし、長期間ウイルスを排出する場合もあるようなので、麻疹や風疹と同じように考えるわけにはいきませんが、少なくともIgA抗体があれば最近感染していることが、IgG抗体があれば過去に感染したけれども、もう治っていることがわかります。
現在の新型コロナウイルス流行に対する戦略としてはワクチンができるまで、治療可能な範囲内の人数に発症者を抑えるというものです。集団の6割以上の人が抗体を持てば流行は抑えられると考えられています。
現在、国は献血の血液を用いて抗体検査を行っていますが、結果については教えてもらえません。当院ではアメリカのALFA SCIENTIFIC DESIGNS社製のキットを用いて抗体検査を行うことにしました。職員の検査のためにキットを購入しましたので、検査をできる人数には限りがあります。 もし興味がありましたら職員にお尋ねください。
昨年末から新型コロナウイルス感染症が世界に広がりつつあります。本来はコロナウイルスは風邪の原因になるウイルスだったのですが、新種の、人類が抗体を持っていないコロナウイルスが出現して流行してきているということです。
現在、ここ十勝でも発症者が出ています。感染力はインフルエンザと同等かそれよりも強いぐらいで抵抗力の弱い高齢者、糖尿病、高血圧その他の合併症を有している方が発症して重症化しやすいようです。致死率もインフルエンザと同等かそれよりも少し多いようです。
予防の基本は濃厚接触をしないこと、手洗い、顔や目を触らない、節制をして抵抗力をつける。鼻呼吸をするに尽きると思います。マスクをしていても飛沫を多少予防できますが鼻を出していたり、隙間があったり、ドアノブを触ってその手で目を触ったり、口呼吸をしては意味がありません。その点にお気を付けください。人込みでなければ普通に外を歩く限りは感染しませんので過敏になる必要はありません。
当院では濃厚接触を避けるため、待合室が込み合わないように熱、咳のある患者さんは受付後、順番が来るまで車で待っていただき電話で連絡をするようにしています。診察までは別室でお待ちいただいて直接診察室にお入りいただいています。そうすることによって待合室で待っている患者さんの接触する人数と時間を減らすようにしています。合併症が心配な方は同様に車で診察をお待ちいただくことも可能ですので受付で申し出て下さい。
お願いとしてはできるだけ感染機会を減らすため診察時間を必要最低限にしたいと考えています。症状などはあらかじめメモをするなどして要領よくお話しください。
現実には、ワクチンも治療薬も検査方法もあるインフルエンザを制御することもできないことから、新型コロナウイルス感染症を抑え込むことは困難だと考えられます。しかしながら重症化した人の治療を行う指定病院のキャパシティーには限界がありますので、それを超えないように発症ピークを抑えることが必要です。
アメリカでは現在インフルエンザが流行しており、その重症化率は日本よりも高いようです。健康保険制度が日本ほど整備されていないため、インフルエンザ検査を受けるだけで10万円以上かかってしまうのも影響しているようです。感染ルート不明の発症例が出現しましたので蔓延化していくのも時間の問題と考えられます。
とにかく冷静に、デマに惑わされず、体調管理、血糖コントロール、血圧コントロールに気を付けてこの難関に対処しましょう。
2020年(令和2年)明けましておめでとうございます。今年は子年、十二支のはじまりの年です。
また新たな気持ちで向かっていきたいと考えています。さて、この2年間はE-EAT(内視鏡下上咽頭擦過療法)という治療に力をいれています。この治療自体は上咽頭処置、B-スポット療法などと呼ばれ、三十年以上前からある治療です。
上咽頭とは字のごとく咽の一番上、鼻から一番奥の突き当たる場所になります。急性上咽頭炎と慢性上咽頭炎がありますが口を開けても軟口蓋に隠されて直接見ることはできません。
急性上咽頭炎の場合のどの痛みが特徴ですが患者さんにどこが痛いですかと聞いても、のどぼとけのあたりを指し示すことが多いように感じます。しかし内視鏡で鼻から見てみると鼻の一番奥にべったりと膿の混じった痰がついているにもかかわらず、痛み、飲み込むときの痛みの他には異常を見ないことも少なくないため、ただの風邪としてかたづけられることが多いように見受けられます。
また、慢性上咽頭炎はのどの乾燥感、ひりひりする感じ、鼻がのどに下がる後鼻漏、頭痛、耳のつまり感のように多彩な症状を呈します。さらに病巣感染といって上咽頭とは全く別の場所に症状が出ていることもあり、このE-EATを行うことで思わぬところがよくなることがあります。詳しくは堀田修先生の「つらい不調が続いたら慢性上咽頭炎を直しなさい」萩野仁志先生の「鼻の奥スッキリ病気はよくなる」などの一般向けの書籍が出ていますので是非読んでみてください。私自身も不調を感じるときには自分で処置をします。処置は痛いですが、そのあとが楽になるのは確かです。もし長引く不調がありましたら受診をしてください。
今年も皆様の健康のために頑張っていく所存です。皆様方にとって良い年になりますことを祈念させていただきます。
最近の難聴に対する考え方として、高齢者の難聴は音刺激を通して脳に入る情報量が減ること、人との会話が減ってしまうことなどから認知機能の低下に影響を及ぼすことが知られています。
そこで補聴器の出番となりますが、実はそこにも限界があります。難聴の状態が長く続くと脳が音を聞かない状態になれてしまうため、補聴器を付けた時にうるさく感じること、さらに高齢者の場合、音は聞こえても脳が言葉を聞き分ける能力が低下している点です。
言葉を聞き分ける能力が低下しているというのは、たとえて言うとテレビの走査線が減ってしまっているようなものです。明るい暗いはわかっても画像はよくわかりませんね。高齢者の難聴で補聴器を考える場合、言葉の聞き取り検査を行って言葉を聞き分ける限界を把握して補聴器を装用したときにどれくらいの音量に設定すると一番聞こえがよくなるか判断して認定補聴器店のテクノエイドという補聴器調整の国家資格を持った担当者に情報提供をして、その後も補聴器があっているか検査を行います。
ちなみに補聴器相談医が情報提供書を作成した場合、補聴器は医療費控除の対象になります。
昔は、補聴器を使用する場合少しずつ慣らすという考え方でしたが、現在は少しうるさく感じる設定にして朝から昼までがんばって脳の働きを活性化させるように調整して、慣れてきたらまた調整を繰り返すという方法が標準になっています。脳のリハビリをしていると考えると分かっていただけるでしょうか。
この期間はおよそ3月間かかるとされており、特に初めの1月間が大事です。補聴器を付けてもうるさくて続けられないとすぐやめてしまう方がいます。特に短気な男性に多い傾向があります。また、家族はかなり困っているにもかかわらず本人は家でテレビを見ているだけだから必要ないといわれる方もいます。高齢になればなるほど、この傾向は多くなります。本人に意欲がないと脳のリハビリも難しくなってしまいますので通常の会話で不自由になってきたところが補聴器のつけ時ともいえるでしょう。そのように積極的な方は高齢になっても人との会話が可能で孤立することも少なくなります。また、補聴器は調整と本人の意欲が大切なのでご家族が通販や販売店で買ってきてつけさせようとしても現実には難しいことが多いです。うまく補聴器を使用して会話ができるような方は積極性もあり、年齢に比べて若々しい感じがします。
業者によっては売りっぱなしで、その後の調整をしないようなところもありますし、装用後も耳鼻科での経過観察が必要ですから、まずは補聴器相談医の資格を持っている耳鼻科を受診して相談をしてください。
当地ではエゾヤマザクラも散り始めツツジが満開になっています。シラカバ花粉も盛りと飛散をしているのでくしゃみ鼻水鼻閉目のかゆみのどの痛痒さなどの症状で受診されている患者さんも増えています。
6月中旬まで飛散が続くばかりでなく、これから7月いっぱいイネ科花粉(牧草であるオオアワガエリ、カモガヤ等)の花粉も飛散してききますので、症状が出ていれば我慢をせずに受診をしてください。
現在私たちの領域では専門医制度の改変があります。耳鼻科は早くスタートしており、これから内科等の他の科でも同じ状況になると思います。専門医の更新を行うために必要な単位を学会に出席をして講習を受ける必要があるのですが旧制度であれば診療に支障のない程度で専門医講習会、札幌の学会参加で更新をすることができましたが、新制度では必要単位を満たすために平日に本州まで出かけなくてはならない回数が増えることになってしまいました。
地方で医療を行う医師にはとても負担が大きくなっているばかりでなく、患者さんにもご迷惑をかけています。
誠に申し訳ありませんがご理解をお願いいたします。
今年は3月の大雪に続いてその1週後に大雨が降り、しばらく十勝地方は陸の孤島になっていました。JR、高規格道路、そして峠が不通になり数日で復旧したとはいえこの時期に出かける予定を立てるのは危険です。
「六月の火雲白雪を飛ばす」という言葉もありますが、こちらでは少なくともゴールデンウイークが終わるまでは油断できません。
さて、幸いその後は天気も順調で気温も上がり雪もだいぶ解けてきました。猛威を振るったインフルエンザも下火になっています。
今こちらではハンノキの花粉が飛散しています。カバノキ科の樹木なのでシラカバ花粉症を持っている人はハンノキの花粉でも症状が出てきます。ハンノキ自体がシラカバに比べると少ないこともあり症状は比較的軽く、例年はあまり長くは続きませんが、引き続いてシラカバが花粉を飛ばし始めますので、シラカバ花粉症を持っている方はそろそろ内服を始めてもいいと思います。
最近は夏の大雨もあり、そろそろ300年に一度の大地震も十勝沖で起きるのではという話もありますので災害への備えが大事でだとおもいます。
話は変わりますが、もうじき山菜採りの季節になります。雪も溶けて山に入ってオショロコマも釣れる時期になります。楽しみにしている方も多いことでしょう。「あ、一つ残念なのは大津漁港のアサリが禁漁になったことです。ルールとマナーを守らない人が自分の首を絞めたようなものですがとても残念です。」厚岸のように有料で採取の上限をきめるなどしてでも持続できなかったのでしょうか。
私はといえばなかなか休日も忙しくて出る機会も少なくなっています。年齢とともに楽ができるかと思っていましたがかえって忙しくなっているように思います。それでも1回くらいはいけたらと思いをはせるのを楽しみにしています。