航空性中耳炎

UPDATE:2006.07.26

 航空機に乗ったときや峠を越える時など急激な気圧の変化に耳管(中耳と咽頭をつなぐ管で、空気が移動することで中耳内の気圧調整をする器官)の機能が追いつかずに中耳炎を引き起こす状態です。

 正常でも気圧の変化で軽い自閉感やいたみを感じることはありますが、唾を飲む、あくびをする、ガムをかむ、等によって大抵は改善します。ところが、なかには上記のような処置によっても改善せずに強い痛みや自閉感が持続することがあり、時によっては、めまいも伴うことがあります。鼓膜所見は強い陥凹鼓膜表面の内出血、滲出液の貯留がみとめられます。治療は通常の中耳炎に準じた形で行いますが、以下のように予防します。

 風邪を引いていたり、疲れているような状態で起こりやすいため、できるだけ鼻の調子を良好な状態に保つ、また、飛行機の上昇時および下降時に気圧の変動が大きいため軽い自閉感のうちにガムをかむ、アメをなめる等が有効です。

 繰り返すことがわかっているばあいは、あらかじめ耳鼻科で鼻の診察を受けて治療しておくのが最善と思われます。これで予防可能な場合もありますが、さらに繰り返す場合は飛行機に乗る前に鼓膜切開を行うこともあります。鼓膜に穴を開けることで経鼓膜的に空気が移動するため気圧の変化の影響を受けることはありません。

 そのほかに、サイレンシアフライトという航空機用の耳栓があります、多少高価ではありますが、なぜ効果があるのか詳細は不明ですが家人が使ってみて確かに効果を認めました。外耳道の状態および鼻の調子などにより常に効果があるかどうかはわかりませんが試す価値はあるように思います。

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